2019年2月中旬、ふとしたきっかけで目にした短編アニメーション
自閉症の啓発を目的として制作されたこの動画に一瞬にして魅了され、調べてみると、その時点ですでに30か国語に翻訳され世界中にシェアされていることがわかりました。
どうして日本語はないのだろう?
それが、私の率直な思いでした。
即座に、この動画を制作したプロのアニメーターであるアレックス・アメリーンズさんに連絡を取ってみました。
それから約1週間後。
アレックスさんからの返事が届きました。
「家族と旅行中で、返事に遅れてごめんなさい。
日本語版を作る予定は、今のところないんだ。
もし、あなたが翻訳とナレーションをしたいと言うなら、協力するよ。」
「もちろん!」
と私はふたつ返事で引き受けました。
ーとはいうものの、翻訳の経験はあるものの、ナレーションは初めて。
そのことをアレックスさんに伝えると
「他の言語のナレーションは、プロのナレーターによるものが多いけど、アマチュアの人もいるし、中には自閉症スペクトラムを持った人が録音したものもあるんだ」
とのお返事。
ーであれば、引き受けない理由はありません!
そこからアレックスさんに送っていただいた英語のスクリプトと動画をもとに翻訳を作成し、それを動画に合わせて録音・・・
アレックスさんとの最終調整を終え、3月22日、いよいよ『Amazing Things Happen』の日本語版が登場したのでした!
できあがったのがこちら↓
翻訳する上で、気を使った部分があります。
それはー
- 専門用語は最小限にする
- 子どもが見ても理解でき馴染みのある表現を使う
- 誤解を招いてしまうような表現を避ける
そして、ナレーションでは、自閉症の方々の気持ちを伝えられるよう、声のトーンや速さ、間の入れ方にもかなり意識しながら行いました。
そんなこんなで公開された『Amazing Things Happen(すごいことがおきる)』
このような素晴らしいプロジェクトにボランティアとして携わることができたことに心より感謝し、同時に、この動画を通して、自閉症についての正しい理解と受容が広がっていくことを願っております。
ぜひご視聴いただき、家族、友人、仕事仲間の方々と共有していただければ幸いです。
アレックスさんを取材した記事が株式会社LITALICOさんの発達ナビのウェブサイトに掲載されています。ぜひこちらもご覧ください。