「いずれ、きちんとした単語で言わなければならないのですから、あえて赤ちゃん言葉を教える必要はないと思うんです。『ママ』ではなく『お母さん』、『ブーブ』ではなく『車』と、最初から教えたらいいと思うんですがー。」

少し前の話ですが、言葉が出そうで出ない段階のお子さんのセラピーのしていた場面で、そのお子さんのお父様が質問をしてくださいました。

 

我が子のことばの発達に遅れがあり、「1日でも早くことばが出るようになってほしい」「近道があるのならば、近道をさせてあげたい」という親心。焦る気持ちもよくわかります。

 

ただ、ここはぐっとこらえて、お子さんの発達段階にあったことばかけをしながらお子さんの成長を信じて見守っていただきたいのです。

 

なぜでしょうか?

 

1. 幼児語の多くは子どもが発音しやすい音で構成されている

ことばが出そうで出ない、あるいは出始めたばかりのお子さんは、発音するために必要なお口や舌の機能が未熟です。そんなお子さんが発音しやすい音が母音(あ・い・う・え・お)や唇で作る音(マ行・パ行・バ行)なのです。

ママ

パパ

マンマ

ブーブ(車)

モーモ(牛)

これらはすべて、母音・唇で作る音で構成されたことばです。それ以外の音が含まれている幼児語ももちろんありますが、そういったことばの中でも、ことばが出始めたばかりのお子さんにとっては、母音・唇で作られる音で構成されていることばの方が言いやすいことばなのです。

 

2. 幼児語には擬音・擬態語が多く使われている→わかりやすい

犬を表す「ワンワン」、牛を表す「モーモ」、飛行機の擬音である「ブーン」等、幼児語には擬音・擬態語が多く用いられています。様子や音を表すことばはそのことばが表すものとの関連性が高く、擬音・擬態語を使ったことばかけは、こどもにとって理解しやすいことばなのです。

 

3. 「わかる!」「伝えられる!」自信

「ママ・パパの言っていることがわかる!」「ママ・パパに言いたいことを伝えることができる!」という実感は自信につながります。そして、「もっともっとママ・パパとお話したい!」という気持ちにつながり、そのモチベーションこそがことばの発達につながるのです。

幼児語を使う時期をスキップして最初から大人が使う表現を使ってお子さんに話しかけていると、お子さんが大人の言うことを理解しづらいだけでなく、お子さんがその言葉を言えるようになるまでにも時間がかかることになってしまいます。すなわち、近道をしているようで、実はかえって時間のかかる関わりをしてしまっていることになるのです。

「早くおしゃべりできるようになってほしい」という思いがあっても、ことばの発達を促すには『急がば回れ』が効果的であることがおわかりいただけたかと思います。

お子さんの成長段階にあったことばかけをしながら、お子さんの発達する力を大事に育ててあげましょう。

 

双葉

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