今週の絵本 第26弾「ここにいたいあっちへいきたい―にひきののみのはなし」

「ここにいたいあっちへいきたい―にひきののみのはなし」著:レオ・レオニ翻訳:谷川俊太郎出版: 好学社 今週の絵本第26弾「ここにいたいあっちへいきたい―にひきののみのはなし」をご紹介します。 予備知識として・・・ このお話を理解するためには、まず、最後まで姿を現さない主人公が「ノミ」であることを理解することがキーとなります。 そのためにも、まず「ノミ」についての理解を確認します。 お話の設定 そして、お話の理解 おはなししているのはだれ? ノミは、どこにいった? などの質問に答えながら、主人公と場面の入れ替わりを理解します。 他者の考えと自分の考えの理解 と想像する力 2匹のノミの考え方や行動の違いから、人はそれぞれ考え方や気持ちが異なるということを理解します。 その上で、「もしも〇〇君/ちゃんだったら・・・」という仮定のことを想像して考える練習をします。 新型コロナウィルス対策で、外出や行動の制限があることで、お子さんも親御さんもストレスが多いことだと思います。在宅の時間が長らくなると、ついついテレビやゲームの時間も長くなりがち・・・ 気分転換に、絵本や工作、お料理などなど、親子の楽しい時間を増やすことで、ストレス軽減&言語発達を促すアクティビティができたらいいですね!
今週の絵本 第25弾「ろくべえ まってろよ」から学ぶ問題の解決方法

「ろくべえ まってろよ」著:灰谷 健次郎イラスト:長 新太出版: 文研出版 久しぶりの「今週の絵本」シリーズになります。 今週の絵本第25弾では、「ろくべえ まってろよ」をもとに、問題解決方法について学ぶアクティビティをご紹介します。 お話の設定 物語の理解では、まず「お話の設定」を理解することが重要です。 このお話は、穴に落ちているろくべえをえいじくんが見つけ、こどもたちが心配そうに穴を覗くシーンから始まります。 お話の中での問題解決の理解 お話の中で、子どもたちは、ろくべいを助けようと懸命に考えます。 「ろくべえが穴に落ちた」という問題に対して、子どもたちが考えた解決方法、その結果を整理して考えます。 生活の中で起こりうる問題の解決方法 問題解決の仕組みについて理解できたところで、生活の中で起こりうる問題と、その解決方法について考える練習をします。 ぶらんこの順番を待っていました。順番になり、ぶらんこにのろうとしたところ、別の子が走ってきて、ぶらんこにのってしまいました。どうしたらいいでしょうか。 ある日、お兄ちゃんのシャーペンを勝手に使っていたところ、シャーペンが壊れてしまいました。どうしたらいいでしょうか。 騒いでいる子がいて、先生の説明が聞こえません。どうしたらいいでしょうか。 「ろくべえ まってろよ」の中で、子どもたちが試行錯誤する様子を振り返りながら、問題が解決する方法に到達する前に、失敗があってもよいこと、大人に助けを求めてもよいこと(物語の中では、大人は助けてくれませんが・・・)、答えはひとつとは限らないことなども伝え、お子さん自身が答えを導き出せるよう、サポートします。 子どもたちは、成長の過程で多くの問題に遭遇します。子ども自身が問題を解決していく力をつけていけるよう、支援していきたいですね。
今週の絵本 第24弾「ぐりとぐら」を使った 言語発達を促すアクティビティ

少々多忙な日々が続いており、投稿が滞ってしまいました! キャッチアップを試みつつ、今週の言語発達を促す絵本 第24弾「ぐりとぐら」をご紹介します。 「ぐりとぐら」 著:なかがわ りえこ イラスト:おおむら ゆりこ 出版: 福音館書店 1963年に初めて出版されてから、長年、愛されてきた「ぐりとぐら」。読んだことのある方も多いことと思います。 今回は、この絵本を使った言語発達を促すアクティビティをご紹介します。 お話の設定の理解 まずは、 「だれ?」「どこ?」「なに?」の質問に答えながら、お話のあらすじを理解します。 カステラの作り方(順番)の理解と説明 お話の流れに沿って、カステラの作り方を順番通りに説明する練習をします。 発達段階により、 ・絵カードを順番通りに並べる ・絵カードを並べた後、お話する ・絵カードを並べた後、「まず/最初に」「それから」「次に」「最後に」といった接続語を使って説明する といったように、発達段階にあった難易度に調整します。 道具とその機能の説明 「ぐりとぐらが、いえからもってきたものはなに?」といった質問をとおして、ぐりとぐらが家から森に持っていったものを答えてもらいます。 この時、お子さんの言語および記憶の発達段階に応じてー 持って行ったものが描かれているページを見せながら答えてもらう 持って行ったものが描かれているページを開かずに答えてもらう ーといったように、難易度を調整します。 そのあと 「泡だて器って、何するもの?どうやって使うの?」 といった質問をとおして、それぞれの道具の機能(使い方)を表現しながら、動作語を含めて表現する練習をします。 問題解決 お話の中で、ぐりとぐらは、 「卵が大きすぎる」 「卵が固くて割れない」 といった問題に遭遇します。 そうした問題をぐりとぐらはどのように解決したのかについて考えます。 そのあと、お子さんの日常で起こりうる問題とその解決方法について、一緒に考える過程を通して、日常生活の中で問題に遭遇した時に問題を解決する力をつけていけるよう、サポートします。 みんな大好きな「ぐりとぐら」。 ぐりとぐらと一緒に森のお散歩やカステラ作りを楽しみながら、ことばの発達を促してあげましょう。
今週の絵本 第23弾「14ひきのあさごはん」を使った 言語発達を促すアクティビティ

今週の言語発達を促す絵本 第23弾 今回ご紹介する絵本は「14ひきのあさごはん」です。 「14ひきのあさごはん」 著:いわむら かずお 出版: 童心社 今回ご紹介する「14ひきのあさごはん」は、実は以前、「英訳された日本の絵本~日本語らしさ・英語らしさ」の記事でも登場しました。 今回は、この絵本を使った言語発達を促すアクティビティについてお話したいと思います。 お話の内容 まずは、 「だれ?」「どこ?」「いつ?」の質問に答えながら、お話の設定を整理します。 順序 のいちごをつみにでかけて、帰ってくるまでの場面を考えることをとおして、「順序」を意識する練習をします。 質問応答 いちばん はやおきは だれ? どんぐりパンを つくったのは だれ? どこで どんぐりパンを つくってた? あさごはんになにをたべた? などなど、お話に関する質問に答える練習をします。 他者の立場に立って気持ちを考える練習 ・14ひきは、みんなであさごはんを食べている時、どんな気持ちだったと思う?どうして、そう思う? ・〇〇くんは、みんなでごはんを食べる時、どんな気持ち?どうして? といった質問を通して、14ひきのねずみたちの様子を想像し、ねずみたちの気持ちを考える練習をします。 そして、同じ立場にあるとき、自分だったらどう思うか、どうしてそう思うのか、考えます。 Suzuki Speech Roomの個別療育では、絵本がよく登場します。 なぜでしょう? それは、絵本を通して、お子さん一人ひとりの発達目標に沿った、様々なアクティビティを行うことができるからです。ドリル学習では得られない、文脈かつ拡がりのある学習ができる絵本って素晴らしいですね! 今回ご紹介した「14ひきのあさごはん」以外にも、「14ひきのシリーズ」があり、英訳されている本も多くあります。 ぜひ手に取って読んでみてくださいね♪
今週の絵本 第22弾「かばくん」を使った 言語発達を促すアクティビティ

今週の言語発達を促す絵本 第22弾 今回ご紹介する絵本は「かばくん」です。 「かばくん」 作:岸田 衿子 絵:中谷 千代子 出版: 福音館書店 「おきてくれ かばくん どうぶつえんは もう11じ ねむいなら ねむいと いってくれ つまらないから おきてくれ」 という飼育員のことばで始まり、動物園の一日がかばの視線で描かれています。 そして、 「おやすみ かばくん ちびの かばくん」 という優しいフレーズで終わる、読んでいる大人も聞いている子どもも穏やかな気持ちになる、おすすめの一冊です。 では、この「かばくん」を使った、言語発達を促すアクティビティについてご紹介します。 お話の内容 まずは、 ・お話に登場する動物・人物 ・いつ(曜日、時間の流れ) ・場面 を整理して理解・表現する練習をします。 動作語 くつした はいてる すかーと はいてる はんずぼん はいてる と、動物園に遊びに来ている子どもたちをかばくんたちが見て上記のように表現する場面があります。 この場面を使って シャツ→きる 帽子→かぶる スカート→はく などの、着衣に関する動作語を正しく表現する練習に発展させることができます。 比較 「かばくん」の中には、 「かばより ちいさい かばのこ かばのこより ちいさい かめのこ かめより ちいさいもの なんだ?」 という比較表現で出てきます。 そこでー ~より大きい/小さい 一番大きい/小さい ~より長い/短い 一番長い/短い ~より高い/低い 一番高い/低い などの比較概念を理解・表現する練習をします。 他者の視点の理解(ソーシャルスキル) 冒頭でもご紹介しているとおり、この絵本はかばくんの視点で描かれています。 かばくんの視点から見えるもの、考えていること、感じていることについて考える練習をします。 こうしたアクティビティを通して、ソーシャルスキルの中でも特に、他者の考えや気持ちを理解し、自分の言動をコントロールする力を促してあげることができます。 「かばくん」を読んだ後、動物園に行って、実際にかばの様子を観察してみるのもいいですね!
今週の絵本 第21弾「ぐるんぱのようちえん」を使った 言語発達を促すアクティビティ

今週の言語発達を促す絵本 第21弾 今回ご紹介する絵本は「ぐるんぱのようちえん」です。 「ぐるんぱのようちえん」 作:西内 ミナミ 絵:堀内 誠一 出版: 福音館書店 大きなぞうのぐるんぱは、ひとりぼっちでくらしてきたので、汚いし、臭いにおいもします。 ジャングルのぞうたちの会議で、ぐるんぱを働きに出すことに決まります。みんなにきれいに洗ってもらったぐるんぱは、見違えるほど立派になって出発します。 しかし、ビスケット屋さん、お皿つくり、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場・・・ぐるんぱが行く先々で作るものは、どれも大きすぎて、「もう けっこう」と追い出されてしまいます。 大きなビスケットとお皿と靴とピアノをスポーツカーにのせて、しょんぼりがっかり出ていくぐるんぱ。 しばらくいくと、ぐるんぱは子どもがたくさんいるお母さんに、子どもたちの世話を頼まれます。 ぐるんぱの歌声を聞いて、あちこちから子どもたちが集まってきます。 そしてぐるんぱは、ぐるんぱの作った大きなもので遊べる幼稚園を開きます。 子どもたちに囲まれて働くぐるんぱは、もう、ひとりぼっちで寂しいぐるんぱではありません。 ぐるんぱと一緒に、しょんぼりしたり、はりきったり、またしょんぼりしたり、そして嬉しくなったり・・・そんな気持ちの変化を感じながら読み進めていく、素敵な絵本です。 では、この「ぐるんぱのようちえん」を使った、言葉の発達を促すアクティビティについてご紹介します。 お話の内容 まず、お話の主人公(だれ?)を特定します。 そして、主人公である『ぐるんぱ』が最初にいた場所を特定し、そこから、場面の移り変わりを時系列に沿って整理する練習をします。 気持ち この絵本の見どころの1つがぐるんぱの心の動きであり、気持ちとその気持ちの背景を理解する練習をすることができます。 おおきくなったら ぐるんぱは様々な仕事を経験し失敗しながら、最終的に、ぐるんぱがイキイキと働くことができる「幼稚園」という場所を見つけます。 ぐるんぱのお話を読んだ後、将来の夢についてお話するのも、楽しいアクティビティになります。 以前、「まちで はたらく ひとたち」の教材の紹介ページの中で、「おおきくなったら・・・」のワークシートをご紹介いたしましたが、こういったワークシートを使いながら、将来の夢についてお話するのも、楽しいアクティビティになります。 言葉の発達を促すアクティビティといえば、絵カード等を使った単調な『訓練』風景を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。 ドリル的なアクティビティは、発達目標に焦点を絞った練習ができる反面、子どもにとって「退屈な」ものになりがちで、生活との関連性が低い場合、実際に使える言語力につながりにくいという面があります。 それに対し、生活や経験等の文脈のあるアクティビティでは、特定の言語目標に絞った練習が難しい一方、生きた言語力につながりやすいというメリットがあります。そういった意味で、絵本を使ったアクティビティは、自己体験とつなげて考えたり、絵本の中の世界を疑似体験することを通して、様々な言語力を伸ばしてあげることができるのです。 読み聞かせるだけでも素晴らしい絵本の力を借りて、子どもたちのことばの力を伸ばしてあげるアクティビティ、ぜひ取り入れてみてくださいね♪
今週の絵本 第20弾「11ぴきのねことあほうどり」を使った 言語発達を促すアクティビティ

今週の言語発達を促す絵本 第20弾 今回ご紹介する絵本は「11ぴきのねことあほうどり」です。 「11ぴきのねことあほうどり」 著:馬場 のぼる 出版: こぐま社 11ぴきのねこたちが、コロッケのお店をはじめます。 ねこたちは毎日せっせとコロッケを作り、コロッケ屋は大繁盛でした。 ところが、そのうちに少しずつ売れ残るようになり、ねこたちは毎晩コロッケを食べていました。 コロッケを食べ飽きてしまったねこたちは、 「おいしい鳥の丸焼きがたべたいねえ」 とつぶやきます。 そこへやってきたのが、一羽のあほうどり。コロッケをわけてくれないかとねこたちに頼みます。 あほうどりを見て、ねこたちの目はピカピカ輝きます。 鳥の丸焼きを期待して、あほうどりの兄弟たちがいる島へ。そこで起きる大どんでん返しに、子どもも大人も引き込まれる楽しい絵本です。 ではこの楽しい「11ぴきのねことあほうどり」を使った、言葉の発達を促すアクティビティについてご紹介します。 お話の内容 お話の内容について、疑問詞を使った質問に答える練習をします。 だれ (who)? どこ (where) ? なに (what)? いつ (when)? どうして (why)? どうやって (how)? いわゆる5W1Hを呼ばれる疑問詞ですが、この中でも人や場所、ものと言った具体的な事物について尋ねる疑問詞「だれ (who)?」「どこ (where) ?」「なに (what)?」に比べて、時間や理由、方法など、より抽象的な答えが要求される疑問詞「いつ (when)?」「どうして (why)?」「どうやって (how)?」では、難易度に違いがあります。 お子さんがそのどのレベルでつまづいているのかに意識しながら、疑問詞に答える力の獲得を促していきます。 数詞 お話に出てくる「ねこ」「あほうどり」「コロッケ」を使って、ものの数え方の練習をします。 発展アクティビティとして、同じ数え方でも、前につく数字によって、言い方が変化することも学習できます。 順序の理解(コロッケの作り方) お話に出てくる表現を使って ①じゃがいもをゆでる ②じゃがいもをつぶす ③ぱんこをつける ④あぶらであげる というコロッケの作り方の手順についてお話することを通して、順序立てて理解し表現する練習をします。 さらに複雑なステップを理解できるお子さんの場合、ご家庭のコロッケレシピについてお話して、親子でコロッケを作ってみるのも楽しいですね! 馬場のぼるさんによって1967年に誕生した「11ぴきのねこ」シリーズは、50年以上たった今でも、世代を超えて愛されています。 「11ぴきとねことあほうどり」はシリーズ2作目なのだそうです。シリーズの他の作品もぜひ、読んでみてくださいね♪
今週の絵本 第19弾「ねずみくんのチョッキ」を使った 言語発達を促すアクティビティ

今週の言語発達を促す絵本 第19弾 今回は、先日いただいた絵本の中から、「ねずみくんのチョッキ」をご紹介します。 「ねずみくんのチョッキ」 作:なかえ よしを 絵:上野 紀子 出版: ポプラ社 おかあさんがあんでくれたチョッキ。 「ぴったり にあうでしょう」 ねずみくんはうれしそうにポーズをとります。 そこへ、あひるくんがやってきて言います。 「ちょっと きせてよ」 そして、さるくん、あしかくん、ライオンくん・・・と次々に動物たちがやってきて、最後にチョッキを着るのはぞうくん。 動物たちが順々に着たチョッキは、ビローンと長く伸びてしまいます。 「いいチョッキだね。ちょっときせてよ。」 「うん。」 「すこしきついが似合うかな」 という繰り返しの表現がとてもリズミカルで、子どもに大人気の絵本です。 以前の記事で(8年程前になりますが・・・)、繰り返しの多い絵本が子どもの言語発達に重要な役割を果たすことについてお話しましたが、その効果について、再度ご紹介。 1. 子どもが絵本の中で次におきることを予測できる。 2. 1つの本の中で、あることばやフレーズを繰り返し聞くことになる→おぼえやすい。 3. 繰り返しがフレーズや文の場合、構文の練習になる。 4. 話しの強弱やトーンがわかりやすい。 5. 子どもが本読みに主体的に参加できる。 6. 子ども自身が『読める』という実感をもて、自信につながる。 この「ねずみくんのチョッキ」は、まさに、この「繰り返し」の効果が期待できるおすすめの絵本です。 「繰り返し」の効果は、読み聞かせから得られる効果ですが、さらに、この「ねずみくんのチョッキ」を使って、それぞれのお子さんの発達目標に沿って行う練習課題についていくつかご紹介します。 登場するキャラクター ねずみくんのチョッキ」には、7匹の動物が登場します。 その動物たちの絵を登場する順番に貼っていきながら、「一番最初」「次」「最後」など、順番を表す言語表現を学びます。 なぞなぞなどのアクティビティを通して、色や大きさ、住んでいる場所や鳴き声など、それぞれの動物を表す表現を学ぶこともできます。 お話の順番(配列) 小さかったチョッキが ↓ 大きく伸びてしまって ↓ 伸びたチョッキでブランコ遊びをした ーといったように、お話の中の出来事を時系列に沿って理解し表現する練習をします。 気持ちの理解 おかあさんがあんでくれたチョッキを着た時 チョッキが伸びてしまったのを見た時 ぞうくんがチョッキをぶらんこにして遊んでくれた時 それぞれの場面でのねずみくんの気持ちの移り変わりについて理解する練習をします。 そのあと、 「〇〇ちゃんは、どんな時、嬉しい気持ちになる?」 「〇〇ちゃんは、どんな時、びっくり/悲しい/怒った気持ちになる?」 といった質問をして、子どもが自分の気持ちを理解できるように促します。 さらに、 「ねずみくんは、ぞうくんが遊んでくれたら、嬉しい気持ちになったんだって。〇〇ちゃんは、悲しい時、どうしたら悲しくなくなるかな?」といった質問を通して、自分の気持ちを理解し、ネガティブな気持ちをコントロールする力を促します。 とてもシンプルな内容の絵本ですが、この絵本を使って様々な言語力の発達を促すことができることがお分かりいただけたと思います。 […]
今週の絵本 第18弾「うしろにいるのだあれ」を使った 言語発達を促すアクティビティ

今週の言語発達を促す絵本 第18弾 今回は「うしろにいるのだあれ」をご紹介します。 「うしろにいるのだあれ」 作:ふくだ としお 出版: 新風舎 「ぼくの うしろに いるの だあれ」 「あっ かめくん」 「かめくんの うしろに いるの だあれ」 「 あっ ねこさん」 「ねこさんのうしろにいるのだあれ」 「あっ ぞうさん」 「ぞうさんのまえにいるのだあれ」 「あっ とりさん」 「とりさんのうえにいるのだあれ」 場面に描かれた体の一部から次に登場する動物のあてっこをしながら読み進めていく楽しい絵本です。 クイズ形式で読み進めていくことができるこの絵本、読むだけでもとても楽しいのですが、ある特定の言語発達目標に沿った「ことばのレッスン」のアクティビティでは欠かすことができないといっても過言ではないほど、大切な役割を果たしてくれる絵本なのです。 その言語発達目標とは・・・ 「~はどこ?」という場所を尋ねる疑問文の理解と使用 「~の後ろ」「~の前」「~の上」「~の下」などの位置を表す表現の理解と使用 です。 場所・位置を表す表現 いぬのうしろにいるのは?→かめ かめのうしろにいるのは?→ねこ ぞうのまえにいるのは?→とり りすのまえにいるのは?→へび とりのうえにいるのは?→りす ねずみのうえにいるのは?→いぬ みみずくのしたにいるのは?→きりん きりんのしたにいるのは?→うさぎ ーといったように、絵本のなかにある場所・位置を表す表現を使いながら、動物の絵を貼っていきます。 質問応答(どこ?) いぬはどこにいるの? →いぬはかめのまえにいます。 →いぬはねずみのうえにいます。 うさぎはどこにいるの? →うさぎはきりんのしたにいます。 →うさぎはねずみのうしろにいます。 ーといったように、場所・位置を尋ねる疑問詞「どこ」を使った質問したり、「~のまえ」「~のうえ」など場所・位置を表す表現を使って質問に答える練習をします。 こそあど言葉ではなく・・・ 「そこにあるそれ取って」 「〇〇どこ?」→「あそこ」 […]
今週の絵本 第17弾「ちいさなたまねぎさん」を使った 言語発達を促すアクティビティ

今週の言語発達を促す絵本 第17弾 今回は「ちいさなたまねぎさん」をご紹介します。 「ちいさなたまねぎさん」 作:せな けいこ 出版: 金の星社 ねずみにかじられて台所で泣いているじゃがいもさん。 にんじんさんやたまねぎさんがなぐさめてくれたり、きゃべつさんが葉を包帯がわりにしてくれたりー。 おたまやフライパン、やかんなどなど仲間たちも一緒に、悪いねずみを退治する ― そんなお話です。 では、野菜やキッチン道具など、どの家庭にもあるものが繰り広げる夜のキッチンのお話「ちいさなたまねぎさん」を使った言語聴覚療法をご紹介します。 お話の場面と登場するキャラクター このお話は、場面設定が明確です。 「台所」という場面に登場するキャラクターも、すべて(ねずみ以外)台所にあるものです。 場面やキャラクターを特定しながら、野菜や調理道具の名前、その機能などを理解し表現する練習をします。 質問応答 疑問詞を使った質問 じゃがいもさんをかじったのはだれ? 等、疑問詞を使った質問を理解して答える練習をします。 気持ちの理解 かじられたじゃがいもはどんな気持ちだったと思う? じゃがいもさんがかじられて、だいどころのみんなはどんな気持ちだったを思う? など、お話の前後関係から、登場するキャラクターの気持ちを理解する練習をします。 原因ー結果 ねずみがたまねぎさんをかじったらどうなったの?どうして? 等の質問を通して ①たまねぎをかじる ↓ ②たまねぎの「しる」で、目と口がひりひりして涙が止まらなくなる といった原因―結果の関係を学びます。 家に身近な事物の理解・表現 「ちいさなたまねぎさん」のお話の中では、キッチンにある野菜や道具が登場します。 そこから、家の中にある身近なものの名前を書きだします。 たとえば、 テレビ 本棚 テーブル&椅子 はさみ えんぴつ タオル シャツ それらについて 場所(例 テレビ:リビングルーム) カテゴリー分類(例 テレビ:家電) 使い方(例 リモコンで電源を入れて見る) 等についてお話することで、理解・表現を深めることができます。 書き出したものについて、なぞなぞ遊びをするのもおすすめです。 絵本を読んだ後、キッチンで絵本に登場する野菜や調理道具探しをしてみるのも楽しいかもしれませんね♪