『五感アクティビティーセット』

人間が持つ感覚、視覚(みる)・聴覚(きく)・嗅覚(におう)・味覚(あじわう)・触覚(さわる)の五感。 この五感は、私たちが生きていくためにとても重要です。 私たちは、五感を使って、外部の世界の情報を取り入れ、その情報を解釈し意味付けをしています。   例えば、食べ物について 赤ちゃんが離乳食を経て徐々に大人と同じ食べ物を食べることができるまでにいろいろな食材を体験します。 食べ物を目で見て(視覚)、手に取って固さや大きさを認識し(触覚)、お口にはこびながら食べ物の匂いを感じ(嗅覚)、モグモグを噛む音を聞き(聴覚)、舌で味を確かめます(味覚)。 こうした行動の積み重ねで、食べ物の学習がすすみ、好き嫌いも出てきます。 食べる感覚の意味付けも行われ、食べ物の名前を聞いただけ、食べ物を見ただけで味が想像できるようになります。   食べる行動だけでなく、自然の中には五感が刺激されるものがたくさんあります。 木々や花や土の色や香りや手触り、鳥や虫の鳴き声などなど。 このように、私たちは、外部の世界にある様々なものを五感を使って感じ取り、その感じ取った情報を解釈して意味付けすることで、私たちの行動や思考を形成しているのです。   五感を理解することは、自分を理解することにつながります。 また、五感を使って表現する力をつけていくことで、言語表現力も広がっていきます。   ーということで、『五感アクティビティーセット』のご紹介♪       五感絵カード 『ぼくの/わたしの ごかん』ワークシート 『ごかん の おはなし』 五感ワークシート 『ごかんをつかってひょうげんしてみよう』ワークシート   英語バージョンはこちらからダウンロードできます。

“Picky Eater” – 好き嫌いのあるお子さん その5

  好き嫌い克服法 その5は『間食』についてです。   間食(おやつ)は良くない? いえいえ、そんなことはありません。 子どもの間食は、3度の食事で不足する栄養とエネルギーを補う意味で重要な役割があります。 また、情緒安定のためにも必要だといわれています。 ただ、その頻度と量に気をつける必要があります。 例えば、スナックやジュースをずぅーっと食べ続けていると、お子さんはごはんの前になってもお腹がすかず、ごはんをおいしく食べることができません。 苦手なものはもちろん、大好きな食べ物でもおいしく感じられないでしょう。 好き嫌いの激しいお子さん、感覚過敏のあるお子さんの場合、食事は子どもにとっても大人にとっても苦痛なものになりがちです。 激しく嫌がる子どもに負け、「なんでもいいから、とりあえず何かを食べさせたい」と思い、スナックやジュースなどを与えたくなる気持ち、わかります。 ただ、そういったものばかり与えていると、お子さんは、食べれるようになってほしい栄養のある食べ物を食べるようにはなりません。 また、子どもはグズればおかしをもらえる、と思い、がんばっていろいろな食べ物を食べようとはしないでしょう。 間食はメインではなく、3度の食事の『補助的役割』である、ということを忘れずに、上手に間食を与えることが大切です。 余談ですが、みなさん、ご存知のように間食は『質』も大事です。 好き嫌い克服法その2でお話した『一緒に料理』、おかし作りに適用できますね お子さんと一緒に質の良いおかし作り − 好き嫌い克服にもなって一石二鳥(?)ですね

“Picky Eater” – 好き嫌いのあるお子さん その4

  好き嫌い克服法 その4は、『お皿に盛り過ぎない』ことです。 親としては、栄養のあるものを“いろいろ” “たくさん”食べて欲しい!ですよね。 ―で、ついつい、お皿にたくさん盛ってしまいませんか? でも、ここはぐっと我慢。 好き嫌いのあるお子さんにとって、苦手な食べ物がのっているお皿はプレッシャー以外の何者でもないのです。 ですから、そのプレッシャーをできるだけ少ない方法で導入していくことが大切です。 ポイントは・・・ 子どもの好きな食べ物の横に、苦手なものをほんの少し。 しかも、1回に挑戦するターゲットの食べ物(苦手な食べ物)は1種類のみ。 急がば回れ ですね

“Picky Eater” ‐好き嫌いのあるお子さん その3

息子の好き嫌い克服に効果的だった2つの方法 一緒に『ガーデング』『料理』することについてお話しました。 好き嫌い克服法その3は、一緒に『食べる』です。   家族が一緒にごはんを食べることって当たり前のことのようですが、実際、何割くらいの家庭で、子どもと一緒に食事ができているのでしょうか。   帰りの遅いお父さん、子どもの塾通い・・・など、様々な理由があると思いますが、家族が一緒に食事をしている家庭って、意外に少ないのではないかと思います。   家族が一緒に食事をすることと、子どもの好き嫌いはどう関係するのでしょうか。   まず、食事が楽しい時間かどうか。 家族と会話をしながら食べる、楽しい時間。 楽しいからこそ、ごはんもおいしく食べれる。 もし、それが寂しい楽しくない時間だったら・・・ ごはんもおいしく感じられないでしょう。   次に、ロールモデルの存在。 子どもにとって良いロールモデルとしての大人の存在が必要であることは、既知の事実ですが、食事に関してもあてはまります。 「よく噛んで食べなさい」 「残さず食べなさい」 と何度も言うよりも、よく噛んで、残さず、おいしそうに食べている大人の姿を子どもは見ているのです。   百聞は一見にしかず・・・ですね。   『食欲を満たす』以上に、とても大切な意味をもつ食事の時間。   まずは、その時間の大切さを意識しながら過ごしてみるといいかもしれませんね!

“Picky Eater” ‐好き嫌いのあるお子さん その2

前回、好き嫌い克服法の1つとしてガーデニングについてお伝えしました。 子どもと一緒に野菜を育て、調理(料理)し、食べる・・・という過程でしたが、 この過程でガーデニング以外に大事な過程が含まれていることにお気づきの方もいらっしゃると思います。 それは、『一緒に料理』する、ということです。 息子の好き嫌い克服の過程において、『一緒に料理』したことは、 ガーデニングに肩を並べるくらい効果的でした。 最初は息子の好きなカップケーキを一緒に作ったことから始まりました。 バターと砂糖を混ぜて 卵を入れて 小麦粉とベーキングパウダーをいれてよくまぜて ―なぁんていう過程を、息子は本当に楽しんでいました。 オーブンから出したカップケーキを見たときの笑顔はとびきりのものでした。 そして、もちろん、できあがったカップケーキが冷め切る前にぺロッと食べてしまいました。 カップケーキから始まり、フライや餃子など夕食のための料理もよろこんで手伝うようになりました。 少し余談ですが、「セラピーと文化」の記事でお話した、食べ物で遊ぶことに抵抗を感じた、という件。 私の場合、担当のお子さんの文化背景を考慮し、私と同様、食べ物で遊ばせることに抵抗を感じられるご家族の場合、食べ物で遊ぶかわりに一緒に何か食べ物を作る方法を考えます。 パンやクッキーの生地作り、おにぎりもいいですね。 感覚過敏のあるお子さんは、いきなりパン生地やごはんなどをさわるのは嫌がると思いますが、そこはスモールステップで・・・。 話を戻して― 小さな子どもに料理を手伝わせない理由(言い訳)は山ほどあります。 手伝わせると余計に時間がかかっちゃうし・・・ 後片付けが大変だし・・・ 危ないし・・・ 男の子だし・・・ 私もそうでした。 仕事から帰ってきて忙しい時間の夕食の準備。 パパッとすませてしまいたい!というのが本音でした。 でも、20分ですむ作業が1時間かかることになる・・・その無駄に思える過程こそが 息子の好き嫌い克服にはとても大事だったのです。 つい、目の前の忙しさやわずらわしさに気をとられると、問題の本質の改善から遠ざかってしまうことがあります。 これは、そのいい例かもしれませんね。

“Picky Eater” ‐好き嫌いのあるお子さん その1

先日、感覚障害についてご紹介しましたが、感覚障害が無い場合でも、好き嫌いのあるお子さんは数多くいます。 好き嫌いのあるお子さんのことを、英語で”Picky Eater”といいますが、実は、私の息子もその”Picky Eater”でした。 野菜嫌いから始まり、食べたことのないものを食べるのを嫌がり、ひどいときには、イヤなあまり吐いてしまうほどでした。 それも今となっては過去の話となりましたが、 彼の好き嫌い克服のためにいろいろ試してきた数々のことと、 一般的に効果的だと言われている方法を数回にわたってご紹介したいと思います。 今日は、まずもっとも効果的だった方法のご紹介。 それは、一緒に野菜を育てること。   人参やきゅうり、さやえんどうなどいろいろな野菜を息子と一緒に植え、その成長を観察、そして収穫しました。 その際、彼の好きなモノ(いちご)も一緒に栽培しました。 収穫した野菜はその日のうちに一緒に調理し(あるいは調理するのを見せ)、食卓に並べました。 その過程は彼にとってとても楽しいものだったらしく、食卓に並んでいる野菜を家族に自慢げに説明していました。 その効果は絶大で、それ以来、買ってきた野菜でも少しずつ食べるようになりました。 ここでのポイントはなんだと思われますか? 1.まず、彼の好きないちごを一緒に栽培したことです。 最初は、自分の好きな食べ物を収穫できるうれしさから始まり、その後、その横で育ってきている野菜にも興味が出てきたと思うのです。 2.そして、ガーデニングそのもの。 それまで、彼が野菜に対してもっていたイメージは、『あまり好きな味ではないものが突然目の前に現れ食べさせられる』というものだったと思うのです。 それに対し、自分で野菜を植え、収穫、そして調理 − という自発的な体験が、野菜に対する抵抗感を和らげ、親近感をもつまでになったきっかけになったのでしょう。 お子さんにより、効果的な好き嫌い克服法は異なるものですが、その1つの方法としてガーデニングを試してみてはいかがでしょうか。

感覚過敏と好き嫌い

  「野菜が嫌い」「お肉が嫌い」「べとべとした食べ物が嫌い」など、好き嫌いのあるお子さんは多いと思います。   でも、この『好き嫌い』が度を越えている場合、楽しい時間であるはずの食事そのものが子どもにとっても親にとってもつらい時間になってしまうことがあります。 この『度を越えた好き嫌い』があるお子さん、原因はなんでしょうか。 子どものわがまま? 甘やかし?? 親の注意を引くための子どもの行動??? 多くの場合、そうではありません。 原因はいろいろあると思いますが、原因のひとつとして『感覚過敏』があるということ、ご存知でしょうか。 感覚過敏とは、音・におい・肌触りや舌触りといった触感などの感覚の伝達が脳内でうまくいっていないために起こる問題です。 本来心地よいと感じるはずの感覚が不快なものとして感じられてしまいます。 例えば、「○○ちゃん、いい子ねぇ」といって子どもの頭をなでる。 子どもにとってうれしいはずのこの感触。 この感触が、その子どもにとってとても不快だとしたらどうなるでしょう。 頭をなでられて満足げな表情をみせるはずの子どもは、きっと激しく泣き叫ぶか、その場から逃げようとするでしょう。 同じような感覚伝達の誤りが口の中で起こることがあります。 ある特定の食感がとても不快と感じる − たとえば、多くの子どもが大好きなプリン。 “おいしい”と感じるはずの、あの“つるっ”とした感覚。 あるいは、ポテトサラダのような粘力のあるような感覚。 これらがとっても不快なものだとしたら、そういった食感の食べ物が自分のお皿にのっているのをみて、嫌だと思い、それを無理やり食べさせられようとしたものなら、きっと吐き気さえ生じてしまうかもしれません。 このように、感覚過敏の子どもにとって、不快な食感は耐え難いものであり、食事の時間そのものが苦痛なものになってしまう可能性があることはいうまでもありません。 『感覚過敏』が疑われる場合は次のようなケースです。 赤ちゃんの時、哺乳瓶やおしゃぶりを嫌がっていた。あるいは、歯固めなどのおもちゃを口に入れるのを嫌がった。 ある特定の感触のものをさわるのを嫌がる(口腔内過敏のあるお子さんの多くに触覚過敏もみられるため)。 食べるのを嫌がるだけでなく、吐き気をもよおすこともある。 以上のような様子が見られる場合、『感覚過敏』の可能性があります。 その場合は、専門家に相談し、子ども自身がその感覚を受け入れられるよう、スモールステップで取り組んでいきましょう。