前回、SMART Goalに基づいた目標設定について、お話しました。

今日は、SMART Goalを使った目標設定ー実践編として、低学年のお子さんと高学年のお子さんの例を挙げて具体的に見ていきたいと思います。

まず、簡単に、SMART GOALの意味を復習しましょう。

SMART GOALとは、

S: Specific 具体的に

M: Measurable 測定可能

A: Achievable 達成可能

R: Realistic 現実的な

T: Timed 期限

という要素を含んだ目標設定です。

SMART Goal

では、低学年のお子さんの例を見てみましょう。

S:「算数をがんばる」ではなく、具体的に「九九」と設定。

M:「九九の1の段から5の段まで間違わずに言える」というのように、間違える回数を「ゼロ」にすることを目標にすることで、測定可能な目標に設定。

A:「1の段から5の段まで」とすることで、実際に達成可能な目標にする。

R:実際に算数の授業で取り組んでいる「九九」を目標にすることで、現実的な目標に設定。

T:「12月31日まで」と期限を設定。

そして、高学年のお子さんの例です。

まず、「得意なこと」「苦手なこと」を考えることで、自分自身を理解することから始めます。

次に「苦手なこと」から「上手になりたいこと」を考えます。

そして、SMART GOALに基づき、「上手になるためにすること」を考えます。

S:「漢字を覚える」ではなく、「次の漢字テストで100点」というように、具体的な目標を設定。

M:「100点」という数字を使うことで、測定可能に。

A:現在の点数が80~90点の場合、「100点」という点数は達成可能な点数になります。現在の点数が40~50点であれば、「60点」や「70点」と設定するのが、達成可能な点数になるでしょう。

R:毎週行われている漢字テストを目標に設定することで、生活に基づく実際的な目標になります。

T:「次の漢字テスト」と設定することで、期限を決めることができます。

高学年の例で、「もし、うまくいかなかったら、どうする?」という質問に答える項目をつくっています。

これは、軌道修正の方法があるということを学んでほしいという目的があります。

目標を設定して、その目標達成のための方法を考え、実行することは素晴らしいことです。でも、1つの方法がいつもうまくいくとは限らない。うまくいかない場合は、別の方法を試してみればよい。大人の意見を参考にすることも大切なことであることを感じてもらうことで、壁に直面した場合の問題解決能力を培うことにつながります。

短期長期目標

そして別の視点になりますが、目標設定をするうえで忘れてはならないことがあります。

それは、短期目標&長期目標という視点です。

目標設定するうえで、短期目標の積み重ねの延長線上に長期目標があるということをお子さんが理解することがとても大切です。


途中、道路が滑ってしまったり、急な傾斜があったり、赤信号があったり・・・トラブルに遭うかもしれないけれど、延長線上には、必ずゴールがあるのだということをイメージして、今日達成すること・1か月後に達成すること・3か月後に達成すること・・・将来達成したいことを考えるのをサポートします。

以上、SMART Goalを使った目標設定ー実践編を、低学年と高学年のお子さんの例を挙げてご紹介いたしました。

お子さんの発達年齢にあった目標設定をサポートする際に参考にしていただければ幸いです。