今週の絵本 第21弾

今回ご紹介する絵本は「ぐるんぱのようちえん」です。

ぐるんぱのようちえん
作:西内 ミナミ
絵:堀内 誠一
出版: 福音館書店

大きなぞうのぐるんぱは、ひとりぼっちでくらしてきたので、汚いし、臭いにおいもします。

ジャングルのぞうたちの会議で、ぐるんぱを働きに出すことに決まります。みんなにきれいに洗ってもらったぐるんぱは、見違えるほど立派になって出発します。

しかし、ビスケット屋さん、お皿つくり、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場・・・ぐるんぱが行く先々で作るものは、どれも大きすぎて、「もう けっこう」と追い出されてしまいます。

大きなビスケットとお皿と靴とピアノをスポーツカーにのせて、しょんぼりがっかり出ていくぐるんぱ。

しばらくいくと、ぐるんぱは子どもがたくさんいるお母さんに、子どもたちの世話を頼まれます。

ぐるんぱの歌声を聞いて、あちこちから子どもたちが集まってきます。

そしてぐるんぱは、ぐるんぱの作った大きなもので遊べる幼稚園を開きます。

子どもたちに囲まれて働くぐるんぱは、もう、ひとりぼっちで寂しいぐるんぱではありません。

ぐるんぱと一緒に、しょんぼりしたり、はりきったり、またしょんぼりしたり、そして嬉しくなったり・・・そんな気持ちの変化を感じながら読み進めていく、素敵な絵本です。

では、この「ぐるんぱのようちえん」を使った、言葉の発達を促すアクティビティについてご紹介します。

お話の内容

まず、お話の主人公(だれ?)を特定します。

そして、主人公である『ぐるんぱ』が最初にいた場所を特定し、そこから、場面の移り変わりを時系列に沿って整理する練習をします。

ぐるんぱのようちえん
ぐるんぱのようちえん 配列

気持ち

ぐるんぱのようちえん 気持ち

この絵本の見どころの1つがぐるんぱの心の動きであり、気持ちとその気持ちの背景を理解する練習をすることができます。

おおきくなったら

ぐるんぱは様々な仕事を経験し失敗しながら、最終的に、ぐるんぱがイキイキと働くことができる「幼稚園」という場所を見つけます。

ぐるんぱのお話を読んだ後、将来の夢についてお話するのも、楽しいアクティビティになります。

以前、「まちで はたらく ひとたち」の教材の紹介ページの中で、「おおきくなったら・・・」のワークシートをご紹介いたしましたが、こういったワークシートを使いながら、将来の夢についてお話するのも、楽しいアクティビティになります。

言葉の発達を促すアクティビティといえば、絵カード等を使った単調な『訓練』風景を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。

ドリル的なアクティビティは、発達目標に焦点を絞った練習ができる反面、子どもにとって「退屈な」ものになりがちで、生活との関連性が低い場合、実際に使える言語力につながりにくいという面があります。

それに対し、生活や経験等の文脈のあるアクティビティでは、特定の言語目標に絞った練習が難しい一方、生きた言語力につながりやすいというメリットがあります。そういった意味で、絵本を使ったアクティビティは、自己体験とつなげて考えたり、絵本の中の世界を疑似体験することを通して、様々な言語力を伸ばしてあげることができるのです。

読み聞かせるだけでも素晴らしい絵本の力を借りて、子どもたちのことばの力を伸ばしてあげるアクティビティ、ぜひ取り入れてみてくださいね♪