バイリンガル児の言語発達に関して、広く指示されているジム・カミンズ博士の理論 “The Iceberg Model of Language Interdependence”(言語相互依存の氷山説)についてご紹介したいと思います。

Cummins, 1980

かつて、第1言語と第2言語は脳の中で別々に発達していくと考えられていました。

しかし、ジム・カミンズ博士の理論によると、脳の中で2つの言語能力の共通の基盤が育てられ、そこから、各言語に特有の語彙や文法、発音といった表層的な部分が育っていくといいます。

右の図にあるように、2つの氷山は、水面上ではそれぞれ独立した存在に見えますが、水面下では相互に融合しています。
同様に、2つの言語は語彙や文法、文字や発音など表面的な部分にそれぞれ独自の特徴があるため、独立して存在しているように見えますが、実は2言語は思考や認知など深い部分において共通しています。それが、Common Underlying Proficiency(共通基底能力)です。

バイリンガル児の場合、1つの言語で獲得された基礎となるスキルは、もう1つの言語にも応用されます。

これは、バイリンガル児のスピーチセラピーの中で私自身よく経験することで、例えば、日英のバイリンガル児のスピーチセラピーを日本語で行っている場合、セラピーで獲得した概念が、英語を話す場面でも理解表現できるようになっていたーということがよくあります。これはまさに、この図にある水面下のスキルが、2つの言語で共有されていること示しています。

だからこそ、スピーチセラピーでは、親御さんや関係機関と連携し、この水面下の基盤となる各言語で共有するスキルをしっかりと育ててあげることが大切だと考えています。

詳細はぜひ動画をご覧くださいね!

Cummins, 1980

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