今週ご紹介する絵本は「ぼくだってトカゲ」です。
「ぼくだってトカゲ」文:内田麟太郎 絵:市居みか出版:文研出版
うつら うつら。
ひるねをしていたトカゲ。
そこへ「さーっ」とトンビがまいおりてきて、しっぽをおさえます。
ねていたトカゲもびっくり!しっぽをぷっつんと切って逃げ出します。
あわてたのは残されたしっぽ。
トカゲに捨てられ、トンビにも捨てられ、真夏の太陽が照り付ける地面に置き去りのしっぽ。
そこへやってきたのが、カナブンのおじさん。
「もとのすがたにもどりたーい!」と泣くしっぽと一緒にカナブンのおじさんは歌いだします。
するとなんと、しっぽから頭と手足がにょきひょきとはえてきたからびっくり!
しっぽが主人公のこの絵本。
しっぽに同情しながら、なんとも奇想天外なハッピーエンディングに魅了されます。
虫好きのお子さんはもちろん、虫が少し苦手なお子さんでも楽しめるユーモアたっぷりの「ぼくだってトカゲ」をつかったことばのレッスンをご紹介します。
①登場する動物・虫
「お話には、どんな動物や虫が出てきたかな?」と聞きます。質問に答えられない場合は、視覚ヒントとして絵カードを呈示します。
②場面の移り変わり「とかげのしっぽは、最初、どこにいたのかな?」「トンビはしっぽをどこにつれていったのかな?」「しっぽはどこで、ひからびそうになっていたのかな?」と質問しながら、場面の移り変わりを理解できるように促します。ここでも、表現できない場合、すぐに答えを言ってしまうのではなく、視覚ヒントを呈示して、「自分の力で考えて答える」ことができるよう、サポートします。
③出来事を順番に沿ってお話する練習
お話の中で起きたことを順番に沿ってお話する練習をします。
お話のキャラクター、場面、出来事が理解できたら、それらの内容をもとに推測して答える練習をします。
ここで、大事なことは、答えは1つとは限らないということです。
お話の内容に加え、お子さん自身の経験や知識ももとにして、総合的に考えて答えを導き出す練習です。
うまく答えられない時のために視覚ヒントも用意しますが、できる限り、柔軟に考えて答えられるようにサポートします。
そしてできあがるのが、こちらのワークブック!
「おうちに帰って、〇〇(お父さん/おばあちゃん/お兄ちゃん/お姉ちゃん、などなど)にお話してあげてね!」といって、お子さんにお渡ししています。
レッスンをレッスン場面で終わらせないのが、私のモットー。
レッスンで学んだことを、おうちに帰って家族にお話することを通して、学んだことの復習ができるだけでなく、レッスン目標を家族で共有したり、家族に褒めてもらうことで自信につながるなど、多くの効果が期待できます。
レッスンを行うことが目的なのではありません。お子さんがレッスンで獲得したスキルを生活場面で生かし、実践できるようになることこそが、ことばのレッスンの目的なのです。
もちろん、「ことば」の練習だけではありません。
絵本に出てくる単語を使って、目標音の練習も行います。
【カ行・ガ行】
等
【促音化構音】
このように、目標音を含む単語を選び出して練習し、単語レベルでの構音が上手になってきたら、絵本の中の文表現を使って練習し、そこから音読→会話レベルへとすすめていくことができます。
チャレンジ課題(?)として、トカゲやヤモリのしっぽ、カニのはさみ、バッタの足などの自切と再生のシステムについて調べてみるのも楽しいですね♪
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