さて、前回に引き続き、今回は、海外に住む日本人、あるいは日本および海外に住む国際結婚カップルの方々の、バイリンガル育児についてお話したいと思います。

三世代

海外に住む日本人、あるいは日本および海外に住む国際結婚カップルの場合、子ども達は「両親の言語&地域の言語」「父親の言語&母親の言語&地域の言語といったように日常的に複数の言語に触れて生活しています。

 

そうした環境下で「2つの言葉によって、子どもを混乱させてしまうのではないだろうか」「子どもの言葉が遅れてしまうのではないだろうか」「日本語を教えなければ、おじいちゃんおばあちゃんと話せず、おじいちゃんおばあちゃんを悲しませてしまう」などなど、バイリンガル育児だからこその悩みがつきまといます。

 

数々の研究結果により、バイリンガル環境が子どもの言葉の発達を遅らせたり言語障害の原因になることはないことはわかっています。

 

しかし、自分たちが第2言語を学ぶ過程で経験した苦労を考えると、子どもに必要以上のストレスを与えている気がし、多くの場合、親が話す言語(母語育児)を断念し、子どもが生活する地域の言葉による育児を選択するケースが多いのが現状だと思います。

 

それでもなお、私は親にとっての母語育児、すなわちバイリンガル育児を奨励したいと思っています。

 

それは、子どもに言葉を教えることのできる一番の先生は親だからです。

 

私たちスピーチパソロジストは言語発達についての知識、技術をもっています。

 

私達だけでなく、プリスクールや学校の先生方、地域の方々も、子どもの言語発達のお手伝いはできます。

 

しかし、子どもの言語発達の鍵を握るのは、なんといっても毎日一緒に過ごしている親御さん方なのです。

 

その親御さん方には一番心地よく話せる母語を使って育児をしてほしいのです。

 

子どもに向かって母語で言葉かけをする場面と第2言語で言葉かけをする場面を想像していただきたいと思います。

どちらのほうがより心地よく言葉かけができるでしょうか。

また、どこらのほうがより多くの言葉を使うでしょうか。

「言葉」だけではありません。

イントネーションや顔の表情など、どちらのほうが表現豊かに伝えられるでしょうか。

 

もし、その2つの言語間で、多少なりとも違いがある場合、ぜひ母語育児をしていただきたいと思います。

 

短期的にみると、子どもにとっても親にとってもストレスとなるように感じるかもしれませんが、長期的には、母語の基盤がしっかりしていることが、第2言語の習得、また学習の進展にも好影響をもたらすのです。

 

すなわち、前々回の記事で書かせていただいたように、子ども達が「両方の言葉をバランスよく習得し、両方の文化を肯定的に学びながら育って」いくことにつながっていくのです。

 

 

そこで、母語育児、バイリンガル育児における「DO & DON’T」について。

 

DO

・日常的に意識的に母語を使い、母語に触れる機会(プレイグループや読書など)を増やしましょう。

・子どもが地域の言葉を話す場合、それを否定する必要はありません。できる限り自然な形で、子どもの表現の後、母語で言葉を返してあげましょう。

・子ども自身が母国語を使う意味を理解したり母語に対するプライドを持てるようにしてあげましょう。

・特に学齢児において、母語に比べ現地の言葉が優勢になる時があります。そういった場面でも、将来的なメリットを念頭に、バイリンガル育児を続けていきましょう。

 

DON’T

・前回お話したように、バイリンガル児にとってコードミクシングは一般的な症状です。しかし、子どもに話しかけるとき、特に幼少期は、できるだけコードミクシングを避けましょう。

・長期的に母語にまったく触れない期間ができることをできるだけ避けましょう。

 

 

いかがでしょうか。 研究結果を参考に、私の思いを書かせていただきました。

実際に母語育児&バイリンガル育児をされている方々、よろしければご意見や経験談などをお聞かせください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA