12月に地域の小学校の「キャリア教育」の「ゲストティーチャー」として、1月に医療通訳研究会(MEDINT)・CHARM母子保健登録通訳者フォローアップ研修のシンポジストとして、お話する機会がありました。今日は、その報告をしたいと思います。

ゲストティーチャー

ゲストティーチャー

12月17日、地域の小学校にゲストティーチャーとしてご招待いただき、6年生の児童の皆さんに言語聴覚士についてお話しました。

自己紹介のあと
「言語聴覚士という仕事を知っている人?あるいは、聞いたことがある人?」と聞いてみました。

挙手は… 0(ゼロ)

そこから、

言語聴覚士の仕事内容や勤務する場所、関連業種などをご紹介し、言語聴覚士になる方法についてお話しました。

今回は、「言語聴覚士」という仕事に興味を持ってもらう事はもちろんなのですが、子どもたちが言葉やコミュニケーションに不自由のある方々への理解を深めるきっかけになったらーという願いもありました。

ですから、私自身が言語聴覚士として心がけていることや「言語聴覚士になってよかった!」と思った経験についてもお話し、体験を通して、言葉やコミュニケーションに不自由のある方々をサポートするコツも感じてもらう時間をもちました。

それから約1週間後、児童の皆さんの感想や感謝の気持ちがぎっしり詰まった、素敵なプレゼントをいただきました。その一部をご紹介したいと思います。

ゲストティーチャー
  • ぼくは、鈴木さんの話を聞くまで言語聴覚士という仕事を知らなかったけど、話を聞くうちに楽しそうな仕事だなぁと思いました。人々のために働く仕事もいいなぁと思いました。
  • 私は言語聴覚士という仕事を知りませんでした。ですが、今回お話を聞いて、人のためになる職業なんだなぁと感じました。私も大きくなったら、人のためになる職業につきたいと思いました。お話をしてくださり、ありがとうございました。
  • 色々なお話をしていただきありがとうございました。言語聴覚士という仕事は聞いたことがなかったけれど、今回お話していただいて、知れてよかったです。これからは、周りの方の気持ちも理解して接していきたいと思いました。
  • 言語聴覚士のお仕事は、初めて聞いて、なにかよくわかりませんでした。でも、わかりやすいお話をきいて、人の役に立つことはとても良いことだと思いました。私は、このお話を聞いて、人の役に立つ仕事につきたいです。

児童の皆さん一人ひとりからのお手紙を読み、

「言語聴覚士という仕事を知ってもらいたい」

「言語やコミュニケーションに不自由がある方々への理解を深めるきっかけにしてもらいたい」

という目標を達成できた!と実感することができ、ゲストティーチャーをお引き受けしてよかった!と思いました。

MEDINT・CHARM主催シンポジウム

シンポジウム

そして1月12日、医療通訳研究会(MEDINT)・CHARM母子保健登録通訳者フォローアップ研修のシンポジストとしてご招待いただきました。

「就学前の子供たちの言語発達を考える~言語聴覚士の立場から」というテーマで、私からは、バイリンガル児の言語発達支援(マジョリティ言語を母語としない親をもつ子どもの言語発達支援)についてお話いたしました。

 

バイリンガル児の言語発達に関する基本情報から始まり、バイリンガル児の言語評価と過剰診断/過小診断といった誤診について、母語育児が推奨されるべき理由、そして通訳者との連携について話を進めていきました。

もう一人のシンポジストである、手話通訳士兼言語聴覚士の上田月美さんや、当事者の桃山学院教育大学教育学部教育学科講師オチャンテ 村井 ロサ メルセデスさんからもお話を伺い、3人の話のあと、シンポジストが参加者からいただいたご質問に答える時間もありました。

このシンポジウムには、通訳者の方々だけでなく、言語聴覚士や教育関係者など、多くの方々が参加してくださり、とても有意義で学びの多い時間となりました。

シンポジウム質疑応答
シンポジウム

12月・1月と、通常の臨床とは異なる経験をさせていただきました。
ゲストティーチャーとして児童の皆さんや先生方との心の触れ合いがあり、シンポジストとして、関連業種の方々との輪の広がりがあり、とても貴重な体験をさせていただきました。

この経験を、これからの仕事に生かせていきたいと思います。