今日は、「目標設定」についてお話したいと思います。
- 二重跳びができない
- 水泳がなかなか上手にならない
- 九九が覚えられない
- 朝、自分で起きれない
などなど、子どもたちは様々な課題を抱えています。目標を設定しても、達成を前に途中で諦めてしまうお子さんもいます。
途中で諦めてしまうのは、必ずしも、お子さんの意思が弱いからではありません。まだ経験が少ないお子さんにとっては、目の前にあるハードルがあまりにも高く、達成不可能なことのように感じてしまうのです。
お子さんが、確実に目標を達成し、自信を積み上げていくためには、目標達成までの道のりを具体的にイメージできることが大事です。
今日は、私がセラピー目標を設定する際にも意識しているSMART GOALをご紹介します。
SMART GOALのSMARTとは、
S: Specific 具体的に
M: Measurable 測定可能
A: Achievable 達成可能
R: Realistic 現実的な
T: Timed 期限
という、目標達成に必要な5つの要素の頭文字をとったものです。
この5つの要素について、詳しく見ていきましょう。
SMART Goal - Specific(具体的)
最初の要素は、誰が何をするのか、具体的に述べるということです。
例えば、「勉強を頑張る」「水泳を頑張る」という目標は、具体的な目標とは言えません。
「誰が何の勉強をどのようにがんばるのか」「誰が、水泳をどのようにがんばるのか」を具体的に述べることで、より達成しやすい目標にすることができます。
SMART Goal - Measurable(測定可能)
2つ目は、目標が達成されたかどうかが明確に測定できるように、数字を使って表すということです。
「勉強を頑張る」「水泳を頑張る」という目標では、どうなれば「頑張った」ことになるのか不明瞭です。
例えば、「九九を間違わずに言えるようになる」「15メートル泳げるようになる」という目標にすれば、目標を達成できたのかどうかが明確になります。
SMART Goal - Achievable(達成可能)
3番目の要素は、達成可能であることです。
例えば、今、5メートルしか泳げない人にとって「1か月以内に100メートル泳げるようになる」という目標を達成することは難しいでしょう。ハードルが高すぎると、目標を達成しようというモチベーションにはつながりにくくなるため、達成可能な目標を立てることが重要になります。
SMART Goal - Realistic(現実的)
4番目の要素は、目標が現実的かどうか、現状に即しているかどうかという点です。
これは、他の人の価値観ではなく、自分の価値観や目的に即しているかどうか、自分自身に問う必要があります。例えば、大学に進学せずに手に職をつけて働きたいと思っている子どもにとって、「〇〇大学に入る」という目標は、本人の価値観にも目的にもそぐわないものであり、現実的な目標ではないことになります。
SMART Goal - Timed(期限)
最後の要素は、期限を決めるということです。
「いつか・・・」「近い将来」という曖昧な表現ではなく、期限を決めることで、目標達成のイメージを明確に持つことができます。
以上、SMART Goalに基づいた目標設定についてお話いたしました。ご自身の目標設定、お子さんの目標設定の際に参考にしていただければ幸いです。
次回の記事で、スピーチセラピーの中でのSMART Goalの取り入れ方についてお話したいと思います。