アメリカの多くの地域で、Speech-Language Pathologist: SLPの不足が問題となっています。

 

言語発達を促すために母語による育児が大切であるということを前回の記事でお話いたしました。

 

そうした母国語育児をサポートするために、言語的側面だけでなく価値観や振る舞いなどといった文化的側面からも母語でスピーチセラピーを受けたいと望むのは当然のことです。

 

しかし、英語を第2言語として話す人々にとって、自分たちの母語を話せるSLPをみつけることは非常に困難です。

 

 

そういった問題を解決に導く方法として、近年、「Telepractice」が注目を集めています。

 

Telepractice」とはインターネット通話を利用して行うスピーチセラピーのことです。

 

アメリカ言語聴覚士学会(ASHA: American Speech-Language-Hearing Association)は、その声明の中で、Telepracticeはセラピーを行う方法として適切なものだとし、地理的・文化的・言語的な壁を乗り越える可能性を提供するものだと言っています。

 

詳しくはこちら→Telepractice

telepracticeの効果に関する研究も行われていて、直接会って行う従来のセラピーに匹敵する効果が得られることが示されています。

 

アメリカでは、SLP不足が深刻な地方の学校を中心にtelepracticeによるセラピー提供が広がってきています。

 

Telepracticeに受けるにあたって、ネット回線に繋がっているコンピューターとウェブカメラ、スピーカー&マイクを用意、そしてスカイプなどのビデオ通話に必要なソフトウエアをダウンロードすれば、準備OKです。

 

 

地理的・言語的・文化的壁を埋める新しい方法として注目されているtelepracticeですが、留意すべき点もあります。

 

 

まず、その特性から。

 

従来の直接会って行うセラピーと異なり、コンピューターの画面を通して行うセラピーとなります。

そのため、お子さんのニーズとセラピー内容によっては、telepracticeが向かない場合があります。

 

 

次に保険適用について。

 

保険会社によっては、telepracticeによるスピーチセラピーをカバーしない場合、あるいは、カバーする場合でも厳しい規制が適用される場合が多いのが現状です。

 

 

そして、資格問題について。

 

州によって法規制が異なりますが、*多くの州において、州が発行するSLPの資格を保持していなければ、その州の住人にスピーチセラピーを提供してはならないという規制があります。

こうした州の法規制がtelepracticeの可能性を制限している現状もあります。

 

 

このような限界・規制を緩和するべく、ASHAを始め、telepracticeを提供する団体らが様々な研究や取り組みをしています。

 

 

私もオレゴン州ワシントン州在住の方を対象にtelepracticeを開始いたしました。

 

今後、規制が緩和され、より多くの方々が必要なセラピーを受けることができるようになることを期待しています。

 

 

追記:*こうした規制は州により異なります。詳しくは各州のSpeech & Hearing AssociationのHPをご参照ください。

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