今週ご紹介する絵本はこちら

わにさんどきっ はいしゃさんどきっ

 わにさんどきっ はいしゃさんどきっ 著・イラスト:五味 太郎、出版:偕成社 


歯医者がこわいわにさんと、わにがこわい歯医者さん。

「どきっ」

「どうしよう……」

「こわいなあ……」

と、2人の同じセリフが続きます。

その2人の気持ちの変化を追いながら、わにくんと歯医者さんと一緒に歯医者に行く→治療終了までの過程を楽しめる絵本です。

さてさて、この楽しい絵本がことばのレッスンに登場すると、どうなるかというと・・・

わにさんどきっ はいしゃさんどきっ2
わにさんどきっ はいしゃさんどきっ3

まず、気持ちの理解

わにくんと歯医者さんの表情や動作を見ながら、わにくんと歯医者さんの気持ちを考えます。

気持ちとその理由

「どうして歯医者さんは怒ってると思う?」

「わにくんが歯医者さんの手を噛んだから」

といったように、その気持ちになった理由を考えます。お子さんによって、視覚ヒントとして絵カードを使って、気持ちとその理由を考えるというステップを入れることで、徐々に視覚ヒントなしでも答えられるようになります。

わにさんどきっ はいしゃさんどきっ

そして、原因と結果

「はみがきをしない」「むしばになる」

「むしばになった」「歯医者さんに行って、歯の治療をする」

のように、原因と結果を理解する練習をします。

余談になりますが、この絵本も英語に翻訳されているようです。

「かくごは できた」“I’m ready for the worst”

「もうすこし がんばれ」“Not much longer…”

「ほっ」“Whew…”

等々、直訳ではない自然な表現がたくさん。五味太郎さんの絵本の面白さが、英語らしい表現で伝わります。

特に幼少期が対象の絵本では、短い単語やフレーズに多くの表現が含まれていることが多く、それを翻訳するのは大変だろうな~と思います。

優れた翻訳家の力で、日本の絵本のすばらしさが英語でも表現されているのに出会うたびに、感動と感謝を感じる日々です。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.