今週ご紹介する絵本は「三びきのやぎのがらがらどん」です。
「三びきのやぎのがらがらどん」絵:マーシャ・ブラウン 訳:せた ていじ出版:福音館書店
三びきのやぎの「がらがらどん」は、山の草を食べようと山へ登っていきます。
途中の谷川の橋の下には、恐ろしい化け物のトロルが住んでいて、橋を渡るやぎたちを「ひとのみにしてやるぞ」といっておそいかかります。
小さいやぎのがらがらどんと二番目やぎのがらがらどんは、「後からもっと大きいやぎが来る」と言って見逃してもらいます。
最後にやってきた大きいやぎのがらがらどんは、トロルに立ち向かい、トロルを「こっぱみじんに」やっつけてしまうー
というお話です。
「三びきのやぎのがらがらどん」同様、英語版「The Three Billy Goats Gruff」もとても有名で、アメリカの学校でもよく取り上げられています。
スピーチセラピーの教材として使用するセラピストも多く、セラピーのアイディアが豊富にあります。
私もその例にもれず、レッスンで愛用し続けています。
では、レッスンアクティビティのいくつかをご紹介します。
「はしのうえにいるのは誰?」
「はしのしたにいるのは誰?」
といった質問をしながら、「上」「下」の位置概念を理解する練習をします。
4枚つづりになったワークシートを使って、お話の要素を理解・表現する練習をします。
川の上に橋をかけ、その下にトロルを置き、「小さいやぎ」「2番目やぎ」「大きいやぎ」の絵を動かしながら、自分の言葉でお話を再現する練習をします。
工作をしながら行うので、子どもたちにとっては楽しいアクティビティなのですが、実は、このアクティビティー、それまでに練習した課題の獲得の様子を再確認する目的においても、とても大切なアクティビティになります。
などなど、「三びきのやぎのがらがらどん」には、カ行・ガ行の単語が多く使われています。
それらの単語を使って、構音練習もすることができます。
「トロルを見たとき、小さいやぎはどんな気持ちだったと思う?」
「大きいやぎが現れた時、トロルはどう思ったかな?」
「おなかいっぱいになったやぎたちは、どんな気持ちだったかな?どんなお話をしながら草を食べたかな?」
など、気持ちや物語の「その後」を推測する練習ができます。
絵本に描かれている内容と自分の経験をもとに推測する力は、生活の中で他者の気持ちや状況を理解し、適切な行動をとる力につながっていきます。
先日ご紹介した「ちいさなひっぽ」同様、マーシャ・ブラウンさんの力強いイラストを見ながら聞く「三びきのやぎのがらがらどん」は、とても臨場感あふれるお話で子どもたちも大好きです。
もうすでに読んだことのある方も多いと思いますが、ご紹介したアクティビティも参考にしていただければ幸いです。
今回ご紹介したダウンロード教材は、Teachers Pay Teachersのサイトで入手できます。
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