感覚過敏と好き嫌い

 

「野菜が嫌い」「お肉が嫌い」「べとべとした食べ物が嫌い」など、好き嫌いのあるお子さんは多いと思います。

 

でも、この『好き嫌い』が度を越えている場合、楽しい時間であるはずの食事そのものが子どもにとっても親にとってもつらい時間になってしまうことがあります。

この『度を越えた好き嫌い』があるお子さん、原因はなんでしょうか。

子どものわがまま? 甘やかし?? 親の注意を引くための子どもの行動???

多くの場合、そうではありません。

原因はいろいろあると思いますが、原因のひとつとして『感覚過敏』があるということ、ご存知でしょうか。

感覚過敏とは、音・におい・肌触りや舌触りといった触感などの感覚の伝達が脳内でうまくいっていないために起こる問題です。

本来心地よいと感じるはずの感覚が不快なものとして感じられてしまいます。

例えば、「○○ちゃん、いい子ねぇ」といって子どもの頭をなでる。

子どもにとってうれしいはずのこの感触。

この感触が、その子どもにとってとても不快だとしたらどうなるでしょう。

頭をなでられて満足げな表情をみせるはずの子どもは、きっと激しく泣き叫ぶか、その場から逃げようとするでしょう。

同じような感覚伝達の誤りが口の中で起こることがあります。

ある特定の食感がとても不快と感じる − たとえば、多くの子どもが大好きなプリン。
“おいしい”と感じるはずの、あの“つるっ”とした感覚。

あるいは、ポテトサラダのような粘力のあるような感覚。

これらがとっても不快なものだとしたら、そういった食感の食べ物が自分のお皿にのっているのをみて、嫌だと思い、それを無理やり食べさせられようとしたものなら、きっと吐き気さえ生じてしまうかもしれません。

このように、感覚過敏の子どもにとって、不快な食感は耐え難いものであり、食事の時間そのものが苦痛なものになってしまう可能性があることはいうまでもありません。

『感覚過敏』が疑われる場合は次のようなケースです。

赤ちゃんの時、哺乳瓶やおしゃぶりを嫌がっていた。あるいは、歯固めなどのおもちゃを口に入れるのを嫌がった。
ある特定の感触のものをさわるのを嫌がる(口腔内過敏のあるお子さんの多くに触覚過敏もみられるため)。
食べるのを嫌がるだけでなく、吐き気をもよおすこともある。

以上のような様子が見られる場合、『感覚過敏』の可能性があります。

その場合は、専門家に相談し、子ども自身がその感覚を受け入れられるよう、スモールステップで取り組んでいきましょう。

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