母校で学生の方々にお話をする機会をいただき、学生の方々に「言語聴覚士(通称ST:Speech Therapy)」「Speech-Language Pathologist(通称SLP)」のことを知ってもらい、興味を持っていただくきっかけになればいいなと願いつつ、資料作りに取り組んでいます。

 

その一部ですが、小児のST/SLPとして携わる分野について、ここでも少しご紹介したいと思います。

スピーチ

構音

「カ行がタ行になる(例、「さな」→「さな」)」「サ行がタ行になる(例「かな」→「かな」」といった例のように、ある特定の音が言えない場合や、構音発達が未熟なため発話全体が不明瞭な場合。

プロソディー

リズムや音の上がり下がり等が不自然なために、発話内容が聞き手に伝わりにくい場合。


ことば

ことばの理解あるいは表出に遅れがつまづきがある場合。


吃音

音の繰り返し「ぼ・ぼ・ぼ・ぼくは」、音の引き延ばし「ぼーーーーくは」、ブロック「-----(力が入った様子で)ぼくは」といった言語症状により、ことばが出にくい状態。まばたきや体の一部が動く随伴症状が出る場合もあります。


音声

風邪をひいているわけではないのにガラガラ声になるなど、声の質や高低、音量に問題が生じている場合。声の乱用で声帯結節ができている場合もあります。アメリカではトランスジェンダーの方々が新たな声の高さを習得するのに携わっているSLPもいます。


ソーシャル

日常の対人コミュニケーション場面では、言葉そのものだけでなく、視線や表情、身振り、姿勢、声のトーンなど言葉以外のコミュニケーション手段を適切に使用するスキルが必要です。また、会話の相手と自分との関係性から会話の内容や話し方を調節するスキル、相手の考えや気持ちを理解するスキルも大事。そういったソーシャルスキルを高める練習もST/SLPの関わる分野です。


*聴覚

日本では言語聴覚士が聴覚士としての役割も担っていますが、アメリカではSLPではなくAudiologists(聴覚士)の分野になります。補聴器や人工内耳のフィッティングだけでなく、難聴児の言語指導にも携わります。


 

このようにみていくと、ST/SLPが携わる分野であること=人間のコミュニケーションに関するすべての分野であることがおわかりだと思います。

 

講義資料を用意しながら、あらためてST/SLPという職業を生涯の仕事に選んだことを幸せに感じています。

 

この思いが少しでも学生の方々に届いて、ST/SLPに興味を持ってくださる方がいるといいな♪と思います。

 

 

 

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