「言葉が遅いのはバイリンガルだから」
「バイリンガル児の言葉が多少遅れていても、自然に追いつく」
「子どもに言語障害がある場合、バイリンガル育児はあきらめて1つの言語で子育てするべき」
などなど、バイリンガル児の言語発達については多くの誤解があります。
今日は、そういった誤解について説明している文献を紹介します。
2月4日の記事『言語に遅れがある場合のバイリンガル育児』の内容と重複する内容もありますが、その点ご了承ください。
誤解その1.バイリンガル児は同時に2言語を使用するため、言語発達に遅れが生じるも当たり前である。
誤解その2:バイリンガル児が「Code-Switching(会話の中で日本語英語を切り替えながら話すこと)」をしている場合、その子どもに言語障害がある証拠である。
誤解その3:バイリンガル児の言語評価に標準化検査が有効である。
誤解その4:バイリンガル児に言語障害がある場合、両親は母国語の使用を避けるべきである。
誤解その5:子どもにコミュニケーション障害がある場合、第2言語を学ぶことはその症状を悪化させる。
誤解その6:バイリンガル児に言語障害がある場合、1つの言語においてのみその言語の問題があらわれる。
誤解その7:言語負担を軽減するため、指導や治療は英語で受けるべきである。
誤解その8:たとえ、第1言語が英語でない場合でも、学校で英語で授業を受けているのであれば過程でも英語で話すべきである。
誤解その9:「Critical language period」を過ぎているため、思春期以降に第2言語を学ぶのは無駄である。
誤解その10:モノリンガル児に比べ、同時バイリンガル児(simultaneous bilingual children)は初期言語発達に遅れがみられるが、成長とともに追いつく。
この記事を読んで、バイリンガル児の言語発達に関して、いかに一般通念化した誤解が多いかを痛感させられましたが、みなさんはいかがでしょうか。