以前の記事でも吃音についてお話しましたが、今日は、吃音のセラピーについてお話したいと思います。
吃音セラピーは、『間接法』と『直接法』に大別できます。
間接法
間接法とは、吃音症状に関節的にアプローチする方法で、環境調整に働きかけていきます。
環境調整には、以下のような項目が含まれます。
- 生活のリズムを見直し、ゆったりと過ごせるようにする。特に朝や夕方など忙しくなりがちな時間帯の過ごし方に気をつける。
- 家族がゆっくり落ち着いたトーンで話す。
- お子さんとお話する時は、お子さんが話し終わってから話す(お子さんの話を途中で遮ったり、途中で話題を変えたりしない)。
- お子さんと一対一でゆったりと関わる時間を確保する。
- 兄弟一緒にいる場面で、先を争うように大人に話しかけようとする状況になった場合は、「順番に話す」「1人が話をしている時は、途中で割り込まない」等のルールを決める。
- 吃音に対してネガティブな思いを持たないようにするため、「落ち着いて話しなさい」と言ったり、お子さんの話し方を否定したりしない。お子さんの話を最後まで聞き、話し終わってから、お子さんの話の内容をまとめてあげたり別の言い方をしながら、(自然な形で)ゆっくりと落ち着いた話し方の見本を見せる。
直接法
お子さんの吃音に直接的に働きかけていく方法です。
例えば
話すスピードのコントロール
- 早口とゆっくりな話し方を聞き分ける
- 早口とゆっくりな話し方を使い分ける
- ゆっくりな話し方を練習する
スムーズな話し方(smooth speech)の練習
- つまる話し方(bumpy speech)とスムーズな話し方(smooth speech)を聞き分ける。
- つまる話し方(bumpy speech)とスムーズな話し方(smooth speech)を使い分ける。
- お子さん自身の話し方について、つまる話し方(bumpy speech)かスムーズな話し方(smooth speech)かを特定する。
ここで、スムーズに話すコツも練習します。
- Slow Rate:ゆっくり話す。
- Light Contact:唇・歯・顎・舌・頰・声帯等、発声に必要な器官の力を抜き、「軽いタッチ」を意識して発声する。
- Easy Start:息を吐きながら発声する。
- Pausing:単語と単語の間に一呼吸入れながら話す。
*直接法あるいは間接法の選択、また治療法の選択については、お子さん一人一人の様子を見て慎重に選択する必要があります。
吃音に関するご心配がある場合は、言語聴覚士にご相談ください。