子どもが発達する中で、子どもが描く絵も発達していきます。
一見、言語発達とは異なる分野の発達に思える描画スキルですが、実は、言語発達と深い関係があるのです。
今日は、ことばの発達のためにお絵かきが果たす役割について、まとめてみたいと思います。
クレヨンや色鉛筆、ペンを使ってお絵かきすることで、「様々な色があること」「色と色を組み合わせたら違う色になること」などを体験することができます。そして、そうした体験を通して、色への興味や認識が高まっていき、そこから色名の理解へつながっていきます。
お絵かきとは、描きたいモノを想像(=イマジネーション)しながら、描画でそれを創造(=クリエイティビティ)してく作業です。
など、想像力を働かせながら、自分の表現したい絵を創り出していく力は、新しいことを考えて、それを表現する力につながっていきます。
ことばを使って自分の考えや思いを表現することが得意なお子さんもいますが、描画などの視覚手段を使って自己表現するのが得意なお子さんもいます。得意な回路を使って表現する力を高めてあげることは、心の安定や自信にもつながっていきます。
イメージを絵にあらわしていくためには、描く順序を考え計画していく手順が必要になります。順序の理解や計画する力は、園や学校であった出来事を報告したり、聞いたお話を相手にわかるようにお話する力にもつながっていきます。
お子さんが描いている途中、あるいは完成した絵について一緒にお話することを通して、非言語的な部分を言語化することになります。その中で、新しい語彙や表現方法を学ぶことができます。
また、色を選んだり描く線や形を考える過程では、どうしてその色・線・形がいいと思うのかといった考えを表現することができますし、描いた後、どう思うか聞いてみることで、気持ちを表現する力を促すこともできます。イメージしたものと描いたものが違った場合は、「思ったのと違うから悲しい/悔しい」といったネガティブな気持ちを表現することで、気持ちを落ち着かせる練習をすることもできます。
絵カードやドリル学習だけが、ことばの発達を促す教材ではありません。
むしろ、生活経験の中からことばを学んでいくことこそ、「生きたことば」「使えることば」の力を育むことにつながるのです。
Your email address will not be published. Required fields are marked *
Comment *
Name *
Email *
Website
Δ
This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.